いつも 旅の中 

 

バタバタと各地へ研修に飛び、

Lapita (ラピタ)3 人かならず、それぞれ本を持っていた。

 

気流が不安定で揺れる飛行機の中でも

電車の中、海峡を渡る船の上でも

 

育った場所も環境も、個性も

まったく異なる3人が

「本が好き」ということは、共通する。

 

「可愛らしい文章で読みやすいですよ」と

Lapita (ラピタ)RYUから借してもらった

 

一冊の文庫本

 

傍らに置いて

何かの作業の合間に

パラパラとページをめくっては

いつのまにか、行ったこともない

遠い異国の砂埃や、湿った空気を感じたり、

 

作家の角田光代さんの書く言葉、

旅の光景に

どこか重なる記憶があるような

活字を眼で追っているだけなのに

不思議な感覚になる

 

たとえば

「国境というものがわたしは好きだ。」

という言葉ではじまる

 

〝The Border〟

  

「看板があるわけでもなく

線がひっぱってあるわけでもなく

 

川が隔てているわけでもない、

明確な線引きは何もないというのに、

ある時点で何もかもが様相を異にするのだ。

 

何もかも——

木々も、空も空気も、質感も、土も、本当に何もかも。

 

あ、ちがう国に入ったと、体じゅう、

頭ばかりか目も耳も鼻も手足も、きちんと理解するのである。

 

——————— 

 

国というのはこのような何ごとかなのだと、

酢昆布を持つ手を止めてわたしは恐れ入った。」

 

 

 

地球儀や地図を

ぼんやりと眺めているだけでは感じられない

 

インターネットやガイドブックの世界にはない

そこへ行ったことのある人の確かな言葉に

ひさしぶりに、はっとさせられる。

 

作家 角田光代さんは

この本を「紀行文」ではなく

「旅のエッセイ」と言い

 

〝60歳までに中南米を旅して

紀行文を書いてみたい〟とインタビューで話している。

 

角田光代さんの思う「エッセイ」と「紀行文」との違いとは

 

〝エピソードがなくても成立して、

そして、どれだけ時間が経っても

変わらない その場所の本質〟

 

〝その場所の本質〟世界がものすごいスピードで

変化していく今、紀行文を読むことに

だから惹かれるのかな、と思う

 

この本を貸してくれた

RYUの好きな国も、偶然、中南米。

 RYU‘S BOOK SHELF のゲバラ日記

RYUの中南米での旅のエピソードがつづく

 

話す言葉は、いつも流れてしまうけれど

文字で残るっていいなと

新たな土地でのはじめての暮らし、流動的な日々のなかで思う。

 

 

 

自立生活センター ラピタ WEBサイト作成中     写真をクリックしてください
自立生活センター ラピタ WEBサイト作成中     写真をクリックしてください